「蜜蜂と遠雷」と そのスピンオフ「祝祭と予感」 恩田 陸の映画化された小説をご紹介
今日もご訪問ありがとうございます
10月4日に映画化もされて
話題になっている
恩田 陸 の 小説 「蜜蜂と遠雷」
先に言っちゃいますけど
私
小説の実写版 (俳優さんが演じた映画) 苦手なんです
本を読んだ時に頭の中で
人物像も声も出来上がっていて
それを実写版で現実の俳優さんが演じると
頭の中の人物像とズレるというか
もっとひどいと
人気アイドルのプロモーションビデオか!
って言いたくなるようなものもあるので
基本好きじゃないです
だから
今回映画のレビューじゃないです
映画興味のある方
下にリンク貼っておきます
https://mitsubachi-enrai-movie.jp/
https://www.fashion-press.net/news/44041
恩田陸のW受賞の小説「蜜蜂と遠雷」と そのスピンオフ「祝祭と予感」〜小説とCDで世界を堪能〜
目次
- 「蜜蜂と遠雷」あらすじと登場人物
- 小説とCDで楽しむ
- スピンオフ「祝祭と予感」
- 感想その他
「蜜蜂と遠雷」あらすじと登場人物
ご紹介するのはこちらですね
史上初の快挙となる
直木賞(第156回)
本屋大賞(2017年)
の"W受賞"となった恩田陸の「蜜蜂と遠雷」
国際ピアノコンクールを舞台に
栄伝亜夜 天才少女ピアニストと言われていたが 今はある事情でお休み中
高島明石 年齢制限ギリギリの社会人ピアニスト
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール 期待の新星「プリンス」的存在
風間塵(じん) ある日巨匠が送ってきた型破りな天才
という世界を目指す若き4人のピアニストたちの
挑戦、才能、運命、そして成長を描いた物語です
結構な厚さの本に 二段組で印刷されてます
かなりの文章量で
読み応えがあります
でも
2年前の小説発売時
一気読みしてしまいました
登場人物がどれも魅力的なんです
嫌な人がいない
小説とCDで楽しむ
ちょっとマイナーな曲もコンクールで弾かれるので
CD音源もあるといいと思います
真ん中のCDは
なんと8枚組です! (4人の演奏曲目をそれぞれ2枚のCDに収録 全51曲)
CDに恩田陸さんの短編小説「祝祭と予感」の
一編が付録という豪華版です
小説中の課題曲「春と修羅」も
藤倉大さんの新作曲で収録されています(栄伝亜矢バージョン)
https://www.daifujikura.com/news2 (「春と修羅」作曲者コメント等)
もう1つのCDは
コンクールの1次から3次までと
ファイナルの演奏曲を再現したもの (19曲厳選 2枚組)
YouTubeの動画がありましたのでリンク貼っておきます
恩田陸さんのYouTubeでのメッセージ 下記のリンクでどうぞ
https://www.youtube.com/watch?v=um_yHO9PhIc
文庫本も発売されてます
スピンオフ「祝祭と予感」
こちらは映画公開時に一緒に発表されたスピンオフ
全6編の短編小説が収められています
本編では描かれなかった秘密など数々のエピソードが描かれていて
会いたかった彼らにまた会える
という感じです
「祝祭と掃苔」
入賞者ツアーのはざまで
亜夜とマサルとなぜか塵が二人のピアノ恩師 綿貫先生の墓参りをすることに・・・
「獅子と芍薬」
芳ケ江国際ピアノコンクールの審査員ナサニエルと三枝子の
若き日の衝撃的な出会いとその後
- 「袈裟と鞦韆」
作曲家 菱沼忠明が課題曲「春と修羅」を作るきっかけとなった
忘れ得ぬ一人の教え子の追憶
- 「竪琴と葦笛」
ジュリアード音楽院に留学したマサルの意外な一面
竪琴は小さいハープ 葦笛はパンフルートとも呼ばれます
- 「鈴蘭と階段」
楽器選びに悩むヴィオラ奏者 奏
自分にピッタリの楽器との出会いを導いたのは・・・
- 「伝説と予感」
ピアノの巨匠ホフマンが幼い塵と初めて出会った時のエピソード
私は 「鈴蘭と階段」が好きです
感想その他
「蜜蜂と遠雷」
映画では「栄伝 亜矢」を主人公にしたようですが
私は
むしろ「風間 塵(じん)」を主人公として読みました
亜夜、明石、マサル、塵(じん)
の四人の
ピアノコンクールを舞台とした群像劇
そのほかコンクールの審査員も
なんとも魅力的な人物ばかりで
読んでいると
紹介されるコンテスタントは
みんな優勝させたくなるのですが・・・
コンクールで勝っていくためには
コンクール用の演奏というものがあって
(提出した楽譜を一音たりとも変えず間違わず演奏するのが基本)
会場で1番拍手が多くて
1番人気があっても
優勝じゃない
それどころか入賞すらしない
教わっている教授の力
なんていうのも関係したりしますし
ハクを付けるために
そのコンクールで有利だといわれる先生に師事する
そういうことも普通にあります
割と
キタナイ
オトナノセカイ
なのですよ(笑)
そんな問題もちらっとかすめながら
圧倒的な才能を前に
既存の音楽社会はどうするか??
そのびっくり箱的な人物は
「風間 塵」
ピアノの巨匠ホフマンによる
音楽界へのプレゼントであり
「どうする??」
という ある意味 意地悪な問題提起でもある
というのが
「蜜蜂と遠雷」の核だと思ったんだけどな・・・
読まれた皆様はどう思われたでしょうか??
コミック (漫画ヴァージョン) も発売されたようです
こちらは私はまた読んでいませんが
ちょっと期待してしまいます
(コミックにすると「ピアノの森」に似てくるのじゃないかとちょっと心配)
それにしても
音の世界を見事に文字で表現した
恩田 陸先生
文字を読みながら
ピアノコンクールの会場で
実際に聴いているようでした
しかも
粒ぞろいの最高レベルのピアニストのオンパレード
例えば
ホロビッツ
グレン・グールド
ルービンシュタイン
アシュケナージ
リヒテル
アルゲリッチ
クライバーン
アリシア・デ・ラローチャ
ポリーニ
フジコ・ヘミング
個性的な奏者が勢揃いのコンクール
風間 塵 が 登場してからは
もはやコンクールなんて枠を超えて・・・
色々事情があって
自分はピアノから離れて
(結構真面目に長い間練習してました 芽は出なかったけど)
ほんとは音楽業界の話題は
辛かったりして
距離をとりたかったりもするんだけど
この本は時間を忘れて読み耽りました
読んで良かったと思う作品です
(Kindle版もあります 私は最初Kindleで読みました)
才能あるもの同士の
悪意のない対等な関係
才能同士のぶつかり合い
お互いに触れ合うことでさらに伸びていく才能
セッション
表現する舞台
どれも羨ましく
できればそち側に居たかった
と改めて思いました
(私の場合 クラシックじゃなくても良かった けど方法を知らなかった
と後から気がついたけど・・・)
本
映画
コミック
と多彩に展開され続けている
「蜜蜂と遠雷」
彼は『ギフト』か?
それとも『災厄』にしてしまうのか?
彼 を 『体験』してもらえばわかるが
彼 は 甘い恩寵などではない
劇薬なのだ
ピアノ界の巨匠 であり
『彼』の 師匠である
ユウジ・フォン=ホフマンの推薦状より
彼は『ギフト』か?
それとも『災厄』にしてしまうのか?
巨匠から突きつけられた課題に
コンクールは
音楽界は
どう答えを出すのか?
「蜜蜂と遠雷」の世界
堪能して下さい!!